「二度死んだ男」「巾着切の娘」を入力した

今日は「二度死んだ男」と「巾着切の娘」を入力した。 「二度死んだ男」もプロットが奇抜で面白い一編だが、やはり「巾着切の娘」が白眉だろう。 昭和12年から13年にかけては、銭形平次は、どちらかというと推理小説色の強い作品が多いのだが、「巾着切の娘」は人情噺のような面白さが印象に残る。 このような作品を書かせたときの野村胡堂の筆捌きはとても見事で、講談を聞いているようなリズム感が伝わってくる。…

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「買った遺書」「黒い巾着」を入力した

今日は、昨日から手掛けていた「買った遺書」と「黒い巾着」の2編を入力が完了した。 今回は「黒い巾着」の中に引用されている浅草寺のお御籤の漢文の入力に一苦労した。青空文庫などでは「レ点」などの返り点は省略されているのだが、河出書房版では返り点が表記されていて、なおかつルビが振られている。ところがWORDではこれが入力できない。ルビと返り点が両立できないのである。 試行錯誤の末に結局、返り点つき…

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「平次屠蘇機嫌」を入力した

今日は「平次屠蘇機嫌」を入力した。オール讀物の昭和13年の1月号に掲載された作品なので、正月をテーマにしたものとなっている。 嶋中文庫の銭形平次捕物控では第1巻の表題作となっており、傑作の部類に入るだろう。 ところで、銭形平次の短編は月刊誌に掲載されたものが多いので、この「平次屠蘇機嫌」のように掲載月の時候にあわせたものが多くなるのは当然だろう。真冬に発行された雑誌に真夏に起きた事件について…

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銭形平次作品中の外国語に対する戦時中の「敵性語排除」の影響

銭形平次を読んでいると、しばしば唐突に外国語に出くわすときがある。カタストローフとかメゾソプラノなど。江戸時代の捕物小説の中に外国語が登場するのは違和感を通り越してびっくりするのである。 以前、これまでの一連の書誌で昭和19年の作品とされてきた「風呂場の秘密」の中で詭計に「トリック」とルビが振られていて驚いたという事を書いたことがあるが、戦時中には米英が敵国だったことから英語は「敵性語」として…

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北海道立図書館

今日は北海道立図書館に行った。仕事の出張にくっつけての札幌滞在である。 北海道立図書館はさほど大規模な感じはしないのだが、昭和25年から昭和27年頃にかけての雑誌の収集がものすごい。また、月刊平凡や明星の収集でも知られている。 特に昭和25年ごろの大衆雑誌の収集は、他の図書館の追随を許さない。1号かぎりでつぶれてしまった雑誌などもかなり集められている。 銭形平次は、大衆読物の部類に入るので…

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「妹の扱帯」の初出が判った

今日は、「妹の扱帯」の初出が、偶然に判った。本当に偶然と言うしかない。 そのきっかけは、「日本の古本屋」のサイトを見ていたら、昭和23年2月号の「実話と読物」(博文閣)に銭形平次の「紅い扱帯」が載っていることが分かったのだが、「紅い扱帯」はオール讀物の昭和17年9月号に掲載されている作品なので、戦後の雑誌にしばしば見られる過去の作品の再録のケースの一例と考えていた。まあ、再録の事例とし…

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「金の鯉」を入力した

今日は「金の鯉」の入力が終わった。プロットがしっかりとした推理小説色の強い秀作である。 これで80作品の入力が終わった。

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「十手の道」「辻斬綺談」を入力した

時間がかかっていた「十手の道」と「辻斬綺談」を今日は入力し終わった。 「十手の道」は少し惜しい作品である。妻まで殺されていながら主君に忠誠を尽くすという話なのだが、妻まで殺されているのに忠誠を尽くすことにどうしても違和感を抱かざるを得ないという読者が多いのではないか。 この作品が書かれた昭和13年であれば、今よりは「滅私奉公」の意識は強かったものと思われるが、それでもどうだろうか。 仮…

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「嵐の夜の出来事」「妹の扱帯」「棟梁の娘」「風呂場の秘密」の初出

河出書房版全集などで戦時中で不明とされているのは「棟梁の娘」「娘の役目」「風呂場の秘密」「お此お糸」の4編。戦後で不明なのは「一番札」(昭和21~22年)、「嵐の夜の出来事」昭和24年以前、「妹の扱帯」(昭和24年以前)、「蔵の中の死」(昭和24年以前)の4編であった。 このうち、「嵐の夜の出来事」と「妹の扱帯」の2編は、新報知に連載された「八五郎女難」と、地方新聞(福島民報など)に連載された…

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銭形平次半生記

文藝春秋昭和31年6月号に野村胡堂氏は「銭形平次半生記」という8ページほどの文章を書かれている。内容はオール讀物創刊に当って「半七捕物帳」のようなものを書いて欲しいと依頼されたこと、八五郎は女性の読者に人気があったこと、吉田茂にも愛読されていたことなど、その多くは野村胡堂氏の他の文章でも書かれていることが多いのだが、その中で銭形平次の作品数を「物語の数にして三百六十乃至三百八十篇、枚数八万枚、想…

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