「活き仏」「夕立の女」を入力した。

今日は「活き仏」と「夕立の女」を入力した。
「活き仏」は銭形平次捕物全集の第6巻所収の作品で、ようやく第6巻に入った。新興宗教を題材にした作品は銭形平次には数篇あるので、前に読んだような既視感はいなめない。いささかネタばれになるが、この作品もやはりインチキ宗教で、野村胡堂氏は新興宗教には手厳しいようである。一つ位は、実はちゃんとした新興宗教だったという捻りがある作品があって良いのでは?と逆に感じてしまうほどだ。
「夕立の女」はサンデー毎日に3回に分けて連載された作品である。踊りの師匠のお園が、小唄の師匠のお組と大喧嘩をした直後に殺される話なのだが、野村胡堂は二人の女性の職業を取り違えて書いてしまったと思われる箇所があり、初出誌のサンデー毎日では、小唄の師匠のお組が、踊りの師匠のお園の家の隣に「踊りの舞台」を作るので大喧嘩になるという筋となっている。「なぜ小唄の師匠が踊りの舞台を作るのか?」という疑問がわく。
で、これを河出書房の全集では手直ししていて、お園を小唄の師匠、お組を踊りの師匠と入れ替えているのだが、その手直しは不徹底で、話の途中には初出誌のままに、お園を踊りの師匠、お組を小唄の師匠のままにした箇所があるので、読んでいて何がなんだかわからなくなるのである。
サンデー毎日の連載時には、おそらくこの不手際が読者(?)から指摘されたものと思われ、胡堂は連載の第3回目に、もともとお組は踊りの師匠をしていたが、その後にお園が踊りの師匠を店開きしたので、お組は小唄と踊りの2枚看板にしたうえで、小唄に重点を置いたという、いささか苦しい記述をしてつじつまを合わせようとしている。
河出書房版の全集では、最初の方の記述を手直ししたため、この記述をほぼすべてカットしているので、かなり不自然な文章となっているところがある。
今回、河出書房版全集を底本として入力しているのだが、混乱している箇所は注釈を入れた上で底本のままとした。

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