「火の呪い」「鐘五郎の死」を入力した

「火の呪い」と「鐘五郎の死」の2編を入力した。「火の呪い」は明暦の大火から相次いで江戸には大火が起きたのを題材にした話である。湯島天神門前の火事ということで万治三年(1660年)と年代がはっきり特定される珍しい作品でもある。話の展開は面白いのだが、最後は由比正雪の残党の仕業と、いささか芸のない単純な落ちになっているのが残念なところだ。

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「井戸の茶碗」「仏師の娘」「二枚の小判」の入力が終わった

「井戸の茶碗」「仏師の娘」「二枚の小判」の入力が終わった。いずれも佳作ではあるのだが、盛り上がりに乏しく読後感が薄い。筋はこなれていてそれなりによくまとまっているのだが、インパクトが薄くて印象に残らないのだ。戦時中にもかかわらず、このころの野村胡堂は売れっ子で、海軍の慰問雑誌である「戦線文庫」には池田大助捕物控などを書いている。多作な作家によくある中だるみ状態であったのかもしれない。

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「江戸の恋人達」「雛の別れ」の入力が終わった

昭和23年にサン写真新聞に連載された長篇の「江戸の恋人達」の入力が終わった。これで長篇は3作が完了した。また今日は「雛の別れ」の入力も終わった。 サン写真新聞は、今で言うなら夕刊フジのような夕刊紙で、名前のように写真が中心の紙面づくりで、江戸の恋人達も連載当初は、挿絵の変わりに役者が登場して演技して撮影した写真が掲載されていた。もう今ではサン写真新聞社はないが、写真の配信でみかけた「UPIサン…

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「仏敵」「駕籠の行方」を入力した

河出書房版の銭形平次捕物全集第7巻に収録されている「仏敵」と「駕籠の行方」を入力した。「仏敵」は緻密な筋書きでうまく纏められている。トーンが暗いが、最後は、まあ、ハッピーエンドで終わる佳作だろう。「駕籠の行方」は面白い一編。特に冒頭の追跡劇は胡堂の筆は冴えて読者をひきつける。昭和17年2月、3月のオール讀物に発表された作品だから、作者が原稿を書いていたときには太平洋戦争は始まっていただろう。マス…

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「辻斬」「弥惣の死」「月の隈」「お吉お雪」の入力が終わった

第7巻の短編の入力が順調にすすでいる。「辻斬」「弥惣の死」「月の隈」「お吉お雪」の4篇の入力が終わった。太平洋戦争が始まる前後のオール讀物に掲載された作品なのだが、そろそろ雑誌の用紙なども逼迫してきたものか、平次物も原稿枚数が減ってきていることから、入力に要する時間も減ってきている。4作は、可もなし不可もなしというか、無難な出来栄えではあるが、傑作とまではいかないと感じる作品だった。

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「凧の糸目」を入力し第14巻の入力が終わった

サンデー毎日に連載された「凧の糸目」を入力した。2週にわたって連載されたもので、サンデー毎日に連載された中篇の中では比較的に短い。これで、第14巻に収録されている作品の入力が完了し、河出書房版全集の26巻のうち、7巻の入力が一応終わったことになる。

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「お由良の罪」「矢取娘」「青い帯」の入力が終わった

「お由良の罪」「矢取娘」の2編の入力が終わり第6巻の入力が完了したほかに、今日は第7巻の「青い帯」の入力も終わった。 この時期の銭形平次には、初期の作品のエピソードや登場人物を受け継いだものが目に付く。おそらく作者がネタ探しに初期の作品を見返したりしていたのではないか。 「矢取娘」にもそのような箇所があった。洲崎の金六と言う親分が登場するのだが、平次に向って「今度のは、鎌鼬や自害じゃないぜ」…

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「土への愛着」「唖娘」を入力した。

「土への愛着」と「唖娘」を入力した。 「土への愛着」は筋自体は平凡な水準にも思うのだが、登場人物の作男の老爺の、「私の親も、その親も、その親の親も、丹精して肥やして来た土でございます。――私が眼をつぶると、田の畦《あぜ》一本一本、畑の土くれの一つ一つもはっきり浮かんで来ます。――私は毎年春先になって、物の芽が育つ頃になると、朝から晩まで畑に出ては、両手で黒い土を掴《つか》んで、揉《も》みほぐし…

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「笛吹兵二郎」「橋の上の女」「六軒長屋」を入力した

青空文庫の方では筆者が校正を受け持った作品が公開されてきているが、今回は8月に公開が予定されている「笛吹兵二郎」「橋の上の女」の2編を、最終校正を兼ねて入力した。また、続けて進めている第6巻の「六軒長屋」も入力した。 気がついてみたら、とりあえず入力が終わった作品は総計150編になっていた。 最初は途方に暮れるほど大量に見えた383編だが、少しずつではあるが完成に向って着実に近づいているとい…

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「吹矢の紅」「白紙の恐怖」を入力した。

「吹矢の紅」と「白紙の恐怖」の2編の入力が終わった。 どちらもなかなか面白い作品なのだが、それぞれ一風変わったところがある。 まず、「吹矢の紅」、平次の女房のお静が両国で昔の馴染みの知合いの女性がしょっ引かれるところに出会うところから始まり、お静は八五郎に直接助けを求める、平次は甲府に行っていて不在、というシチュエーションも珍しいのだが、この作品では石原の利助親分は他界した後の設定となってお…

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